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中国 労働契約書
中国でスタッフを採用するにあたって、労働契約書の作成は必要ですか?
中国では労働契約法により、労働者(非全日制労働者を除き)を雇用する際には、雇用開始日から1ヵ月以内に、必ず書面で労働契約を締結しなければなりません。
日系企業の場合、現地法人の責任者が数年で入れ替わることが多く、新任赴任者にとっては特に注意すべき事項といえます。
労働契約書を作成していない場合、どうなりますか?
中国では、労働契約書が未作成の場合、未作成期間が1ヵ月を超える場合、未作成の期間の長さに応じて一定の罰則が課せられています。
具体的には、
- ①雇用開始日から1ヵ月超1年未満の場合
- ②雇用開始日から1年以上の場合
①の場合は、雇用開始日から満1ヵ月の翌日から労働契約書を作成するまでの間、労働者に対して毎月2倍の賃金を支払う必要があります。
②の場合は、雇用開始日から満1年の日から、労働者と書面により期間の定めのない労働契約を締結したものとみなされます。
労働契約書の書式は、何か決まりはありますか?
中国では、労働法及び労働契約法により、労働契約書に記載すべき事項が定められています。
<労働法で定める事項>
- ①労働契約期間
- ②業務内容に関する事項
- ③労働保護・労働条件に関する事項
- ④労働報酬に関する事項
- ⑤労働規律に関する事項
- ⑥労働契約終了の条件に関する事項
- ⑦労働契約違反に対する責任に関する事項
<労働契約法で定める事項>
- ①使用者の名称・住所・法定代表者または主要責任者の氏名
- ②労働者の氏名・住所・身分証明書番号
- ③労働契約の期間に関する事項
- ④業務内容・勤務場所に関する事項
- ⑤労働時間・休憩・休暇に関する事項
- ⑥労働報酬に関する事項
- ⑦社会保険に関する事項
- ⑧労働保護・労働条件・職業危害の防護に関する事項
- ⑨法律・法規が規定するその他事項
なお、必要事項が記載されていない場合、労働契約書とは認められない可能性があるため注意が必要です。
労働契約には、どのような種類がありますか?
労働契約法によると、労働契約は
- ①固定期間労働契約
- ②無固定期間労働契約
- ③一定の業務上の任務の完成を期限とする労働契約
また、一般的な労働契約のほか、労働契約法は集団契約と非全日制労働契約を定めています。
固定期間労働契約とは、何ですか?
労働契約法によると、固定期間労働契約とは、使用者が労働者と契約終了日を約定する労働契約(いわゆる有期労働契約)をいいます。
使用者は3ヵ月未満の短期の労働契約を締結することは可能ですが、3ヵ月未満の労働契約の場合、試用期間を約定することはできません。
無固定期間労働契約とは、何ですか?
労働契約法によると、無固定期間労働契約とは、使用者と労働者が約定する確定的な終了日のない労働契約(いわゆる無期労働契約)をいいます。
原則として、定年年齢まで雇用しなければなりません。
一定の業務上の任務の完成を期限にする労働契約とは、何ですか?
労働契約法によると、一定の業務上の任務の完成を期限とする労働契約とは、使用者が労働者との間である業務の完成をもって契約期間をして約定する労働契約をいいます。
ただし、一定の業務上の任務の完成を期限とする労働契約の場合、試用期間を約定することはできません。
非全日制労働契約とは、何ですか?
労働契約法によると、非全日制労働契約とは、通常、労働者の同一の使用者のもとにおける1日当たりの平均労働時間が4時間を超えず、1週間の労働時間が累計で24時間を超えないという時給制の労働契約のことをいいます。
非全日制労働契約は、口頭による形式でもよく、双方当事者はいずれも相手方に随時通知することにより契約を終了させることができ、雇用終了に伴う経済補償金の支払義務もありません。ただし、試用期間を約定することはできません。
固定期間労働契約を締結する場合、契約更新について注意すべきことはありますか?
労働契約法によると、固定期間労働契約が一定回数更新される等、法定の要件を満たした場合、その労働者との労働契約が無固定労働契約に転換される制度が定められています。
具体的には、次の3要件を満たした場合、労働契約の期間が無固定となります。
- ①次の各号のいずれか1つに該当すること
- ・労働者の当該使用者における勤続年数が満10年以上である場合
- ・固定期間労働契約を連続して2回締結し、かつ、労働者に法定で定める労働契約解除事由がなく、労働契約を更新する場合
- ②労働者が労働契約更新もしくは締結を申し出たこと、またはこれらに同意したこと
- ③労働者が固定期間労働契約を申し出ていないこと